グミとラムネは、なぜ食感が違うのか
ゼラチンは何℃で溶けるのか。原材料表示から何が読み取れるのか。食べ比べをせずに参加する方法もある — 中高生7名の木曜日の食育活動をレポートします。
ホワイトボードに、三つの問いが並びました。
「グミとラムネは、なぜ食感が違うのか」「ゼラチンは何℃くらいで溶け、なぜ冷やすと固まるのか」「原材料表示から何が読み取れるか」
木曜日の中高生の活動は食育。といっても、この日は調理をしません。お菓子を題材に、材料と食感の関係を科学的に考える時間です。この日は7名が参加しました。
「食べない」を選んでも、同じように参加できる
活動の最初に、スタッフが必ず伝えることがあります。食べ比べは希望者のみ、ということです。
アレルギー、感覚の特性、家庭の方針、その日の体調。食べない理由は人それぞれで、理由を説明する必要もありません。食べない生徒は、においを確かめる、パッケージの表示を読み比べる、実験の様子を観察する、記録係を担当する。参加の形が違うだけで、活動から得るものは変わらない ように組み立てています。
食に関する活動は、楽しい反面、「みんなと同じにできない」が目立ちやすい場面でもあります。だからこそ、選べる形を最初に示す。これはnarZEの活動全体に共通する考え方です。
ゼラチン、寒天、氷砂糖、重曹
前半は少人数に分かれての調べ学習でした。資料とタブレット、そして実物のパッケージを手がかりに、四つの材料を調べていきます。
ゼラチンは動物由来のたんぱく質から作られるもの。寒天は海藻から作られるもの。同じ「固める材料」でも、出どころがまったく違います。 氷砂糖は砂糖水から大きな結晶を育てて作られ、保存性の高さから菓子文化を支えてきたこと。ラムネ菓子には砂糖類、でん粉、酸味料、重曹などが使われることがあり、重曹と酸性の材料が出会うと二酸化炭素が生じる場合があること。
ここで一つ、記録のルールを設けました。「資料に書いてあった事実」と「自分たちの考え」を、分けて書く。 混ざったまま書くと、後から見返したときにどちらか分からなくなります。調べ学習でありながら、情報の扱い方の練習でもあります。
原材料表示を並べて比べると、「弾力のあるお菓子にはゼラチン」「歯切れのよいお菓子には寒天」という傾向が見えてきます。ただし商品によって材料も製法も違う。だから、思い込みで決めず、その都度表示で確かめる。 この姿勢を繰り返し確認しました。
予想を書いてから、確かめる
後半は、ゼラチンの性質の観察です。加熱と湯せんはスタッフが担当し、生徒は観察と記録に集中します。
ゼラチン液はおよそ50〜60℃で溶けやすくなり、冷やすと分子が網目状に集まって水を抱え込み、ゼリー状に固まる。図と模型で説明したうえで、冷やした見本と常温の見本を比べました。大切にしたのは、見る前に予想を書いておく ことです。予想が外れたときこそ、「なぜ違ったのか」を考える材料になります。
食感の記録も、「硬い」で終わらせません。弾力、口どけ、粒の感じ、酸味、香り。感じたことを分けて言葉にする と、比較ができるようになります。
分からないことを、残して帰る
まとめでは、各自が分かったことを短文か図で整理しました。終わらなかったレポートは、続きの方法と期限を自分で決めて次回へ持ち越します。
この日スタッフが伝えたのは、「分からないことを残すのも、調べ学習の大事な成果です」という一言でした。次に何を調べれば確かめられそうか。 そこまで書けたら、その日の探究は完結しています。
お菓子ひとつの食感の違いから、材料の由来、温度、化学変化、そして表示を読む力へ。身近なところから始めて、調べて、確かめて、また問いに戻る。中高生の活動では、この行き来を何度も繰り返しています。
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