中高生の月曜日の活動 - 心理テストづくり
月曜日の中高生プログラムでは、ユング心理学の「原型(アーキタイプ)」を手がかりに、オリジナルの心理テストづくりに取り組んでいます。

雑誌や SNS で目にする「あなたは何タイプ?」の心理テスト。あれを、受ける側ではなく、作る側 にまわってみたら何が見えてくるだろう ─ そんな問いから、月曜日の中高生プログラムは始まりました。
参考にしているのは、ユング心理学の「原型(アーキタイプ)」という考え方です。「探究者」「調停者」「創造者」 ─ そんな数種類の人物像を手がかりに、自分はどこに近く、友達はどこに近いか、そして「両方ある自分」をどう言葉にするか、を考えていきます。
まず「自分で受けたくなる」テストを作ろう
最初の数回は、市販の心理テストをいくつか見て、「これ、信じられる」「これは、ちょっと違和感ある」と本人たちで分類してみる時間でした。
「質問が誘導してる気がする」「結果が当たり障りなくて、誰でも当てはまっちゃう」と、批判の目を持つこと自体が、心理学を学ぶ入口になります。「鋭いね」と褒めると、次の回からは目が変わってくる。学ぶ前に「疑う」を経由する経路です。
探究者・調停者・創造者 ─ 私たちの中の3人
主に取り上げた原型は、こんな3つでした。
探究者(Seeker) 「もっと知りたい」「まだ見たことのない世界を見てみたい」と思うタイプ。一歩踏み出す勇気と、自分のペースで深く考える集中力を持っています。当たり前を問い直すのが好きで、キャラクター例で言うと『千と千尋の神隠し』の千尋がしっくりきます。
調停者(Mediator) 「みんなが安心して話せるといいな」と願えるタイプ。場の空気を読み取る力、困っている人に気づく感度の高さ。自然と聞き役になって、その場に安心感をつくります。しずかちゃん的、と言うと中高生にもピンと来るようでした。
創造者(Creator) 「こうしたらもっと面白い」と発想を形にしたくなるタイプ。アイデアの数では誰にも負けないけれど、人と違う視点ゆえに、孤独を感じることもある。スティーブ・ジョブズを例に出すと、「ああ、なんとなく分かる」と頷きが返ってきました。
「私は探究者寄り、でも調停の部分もある」
このワークで一番大事なのは、自分を一つのタイプに 押し込めないこと です。
「私は探究者だから一人が好き」と決めつけてしまうと、自分の中の調停的な側面が見えなくなる。「あの時、友達のために動けたよね、それは調停者の力だよ」と振り返ると、本人の表情が変わる瞬間があります。
「タイプ」は線を引く道具ではなく、自分の中の 多面性に名前をつける ための道具だと、毎週話しています。
質問を作るって、人を観察すること
テストを作る側になると、「この質問は何を測りたいのか」「YES/NO で本当に分かれるのか」「中間の人はどうする?」など、出題側の悩みが見えてきます。
「人をタイプ分けする」ことが、いかに難しく、いかに乱暴になりうるかも、作る中で実感します。「結果が出たあとに、何を伝えるかも大事だよね」と、メッセージのフォローも含めて設計します。
これが、人を見る視点 ─ つまり、社会で生きていく上での観察力 ─ の練習になっていきます。
完成版は文化祭で
チームごとに、違う原型をテーマに質問を練って、テストを仕上げていきます。完成版は文化祭や地域のイベントで公開予定です。
「タイプを分ける本」ではなく、「自分のことを考えるきっかけになる本」を作りたい。中高生たちのその気持ちが、毎週少しずつ形になっていくのを、隣で見ています。